【入試情報】大阪府公立入試が変わりそうです
山田校の堀口です。
大阪府の公立高校入試で大きな変化、生まれそうです。
かなりタイムリーにニュースが出ましたので、昨日の小学部保護者会では少しお話しさせていただきました。
(7/6(土)の中1~2保護者会でももう少しお話しさせていただくつもりです)
(ちょっと、今回のブログは長くなりそうです)
木曜の大阪府教育審議会の会合の中で、今後の大きな枠組みが出ました。
結論から言えば、
①特色入試導入
②入試日程の前倒し
③複数校志願の導入
の3点です。
背景となるキーワードには、
1. 私立授業料無償化
2.私立専願率の上昇
3.公立倍率の二極化
4.AP合格枠
が挙げられます。
<1. 私立授業料無償化>
「授業料が無償」になるだけであって、制服代や修学旅行積立金などはもちろんかかります。公立より私立の方がかかります。
ただ、経済的に厳しいご家庭は、これまで「公立一択」だったものが緩和されます。「私立でもええやん」です。
また、府内私立中学受験への追い風にもなりますよね。中学から入学しても「中学3年間我慢したら高校からは無償化」ですし。
<2.私立専願率の上昇>
今年ついに30%の大台をを超えました。昨今の私立高校の話を聞いていると、「特化しているな」「尖っているな」と感じる私立が増えてきました。
例えば高2の1年間海外長期留学、とか。
公立は「良い意味でも悪い意味でも自由」。
私立は実績上げるのが至上命題なので、必死で生徒進路指導します。
(ただし、「そういうのんウザい。もっと自由にさせて欲しい。」と感じる生徒もいる。=公立向き)
公立はバランス。私立は一点突破型指導を受けられるところも多い。
そういうところが魅力かも。
<3.公立倍率の二極化>
大阪の公立高校は定員割れ3年連続で統廃合となるルールで、学校数が減ってきています。
「定員割れ」でいくと、10年前(2014年度)の後期入試(普通科)で13校。
この春の一般選抜普通科で定員割れを起こした高校は30校以上あります。
なお、開進館偏差値で20~30台設定の高校はのきなみ割れています。
逆に、GL校やそれに準ずる高校の倍率は「公立高校入試?」と感じるぐらい高い。
「偏差値で最上位・上位と最底辺(工業やエンパワメント=学び直し学校)は公立で請け負う」
「中位から中下位は私立」
の動きが出てきそうな印象を持っていました。
<4.AP合格枠>
APとは「アドミッションポリシー」。大阪府公立入試には「定員の90%~110%の受験生はAP合致優先枠」があります。
ただ、これがほとんど機能していない。ほとんどの学校は「AP合致で合格」が0名。
R5入試で、府立高校募集定員合計19,545名のうちAP合格は府下全体で136名で0.7%!
学校の特色を出せていないですし、特色に合った高校を選べた中学生は府内受験者の0.7%ってことです。
「個別最適解」が求められる時代。
これは心もとない。
という背景の中で、「①特色入試導入」「②入試日程の前倒し」「③複数校志願の導入」の検討です。
①特色入試導入の検討
特色枠を志願した者で一定の基準に達した者のうち、各校が求める生徒に極めて合致する者を優先的に合格とする。
例)ボランティア、探究、起業体験、クラブ活動等、高校の特色に適う生徒
たとえば、定員が320名8クラスであれば、3クラス120名はこの枠で合格させる。
私見ですが、英検優遇もここに組み込まれるのは?(よって英検優遇制度も改訂)
②入試日程の前倒し
これは完全に「私立に逃げない対抗策」に見えます。2月末の入試に一本化する方針のようです。
1か月早く終わる私立入試。受験生は「早く解放されたい」ですからね。
たしかに、「高校入試を大学入試期間と減らせる」「高校として準備期間が長くなる」はメリット。
ただ、ここは課題山積ですね。
「入学まで1か月間遊ぶ呆け、入学段階での学力が大きく下がる」はあり得ます。
高校は課題をしっかり出さねばならないですし…
ここを使って「入学前に短期留学いってらっしゃい!」とかもありかもです(さすがにそこまでの余裕はないか?)。
③複数校志願の導入
「第1志望の学校を不合格となっても、第2志望の学校で合否判定を受けられる。」です。
個人的にはここはあまりピンときません。
「学校の特色出していこう」という意味での「特色入試導入」なのに、「結局公立高校ってどこも同じ?」とも受け取れます。
そして、これは私立高校は怒りますよね…
などなど。
とりあえず、今後も議論が進んでいくと思いますが、早くて現中1からの可能性もありそうです。
今後も動きに注視して、情報が入ったら発信していきます。