〈門戸校〉2023公立一般入試の理科
今日は公立一般入試本番でした。受験が終わった生徒が何名か来てくれて、その感想を聞かせてくれました。
「社会が難しかったです。原敬、ウィルソンですよね。」
「国語の時間配分が難しかった。最後の文章が難しかったです。」
「理科はやりやすかったです。」
「数学は、言われた通り、上手く解く・捨てるができました。」
「英語もやりやすかったです。」
とのことでした。
理科に関しては、
「先生、やっぱ天気が出ました!天体は出ませんでした!」と嬉しそうに教えてくれた生徒
「昨日の先生からのメールにも書いていた通り、休憩時間に中3生物のところの教科書を読んでいたら、それが出てきてビックリしました!」と嬉しそうに教えてくれた生徒
さて今年の理科は、どうだったのでしょうか??
今年も、さっそく解いてみました。
■大問1 生物・・・中1内容と中3内容
植物の分類です。分類と遺伝か、分類と食物連鎖だと予想はしていましたので、良い感じですね。
1に関しては(1)~(4)はスムーズに解くことができたと思います。サクランボとギンナンのの問題は難しくないのですが、しっかり問題文を読むことが必要だというぐらいでしょうか。
2は(1)のグラフ選択でちょっと考えると思いますが、冷静に考えれば大丈夫です。さて、(2)のレポート問題です。オーソドックスではありますが、きちんと『実験結果・考察をよく読む』ことが重要になってきます。
①は、何てことはありませんでした。②の辺りのことを生徒が言っていました。テスト前に読んだから、解きやすかったようです。教科書にも載っている、微生物と脱脂粉乳・デンプンの実験ですね。特に脱脂粉乳のある部分の色の変化に惑わされなければ大丈夫です。
③は、表よりA層の円形ろ紙の周りの大部分が白くなっていることから、微生物が多くはたらいたということがわかります。C層になれば、微生物のはたらきが弱いということがわかります。
(2)の実験・観察問題は決して難しくはありませんが、知識と読解力が重要になってきます。
■大問2 地学・・・中2内容
天体か天気だということはわかっていました(いや、むしろ天気と天体の融合問題が出てほしかった!)ので、「天気か~」という感じでした。惑星か月も出てほしかった~!来年は天体でお願いします!!
1は(1)~(3)までスッといきます。(4)は天気図を並べる問題・・・なのですが、10月、12月、6月、7月を選ぶ問題です。冬と夏はパッといけるのですが、秋雨前線と梅雨前線・・・さて、どうしよう・・・。
ということで、再度問題文をよく読むことで、「図1の前日の天気図がふくまれている」というヒントをもとに、図1とじっとにらめっこをして、「ウやな!」ということでOKです。これも、問題文をきちんと読むことでクリアできる問題だったと思います。
2は水蒸気の問題です。会話文ですね。いいですよね。日常にあるものに対しての読解力と知識の融合で、集中力も試される問題です。
やかんのお湯が沸いたときの現象・・・まずは知っていますか?というところからですが、さすがに大丈夫ですね。夕方の授業で小学生にも確認してみたら、何名かちゃんと答えていたので。会話文のユウキさんも答えられていましたね。
さて、(2)がちょっと難しかったのではないかと想像できます。いや、問題自体は難しくないのですが、「テストで解く」となると、また別問題な部分もあります。テスト中にこれを冷静に考えて解答できるかどうか・・・ですね。今回、そういった問題がいくつかありましたね。そういう意味(受験生の立場)で言うと、決して簡単すぎるということではないと思います。
水滴が消えにくくする・・・ということで言うと、水をたくさん存在させればいいので・・・ということで考えるとすぐに答えは出てきます。
(3)は普通の問題で、(4)も普通の問題なのですが、会話文をしっかり読んどこに目をつけるかということがポイントになりますが、そこまで・・・。
ただ、この計算の工夫・・・ファイナル講座で触れましたね。
線状降水帯、フェーン現象、出なかったな・・・。
■大問3 化学・・・中1内容と中3内容が少し
化学に関しては、まさかの蒸留、水溶液・・・イオンやダニエル電池がほしかった・・・。でも、2に関しては志望校別特訓などでも結構勉強したので良かったなと思います。
1(1)(2)(3)は何てことありません。(4)ははじめましての問題ですが、何をすべきかはちゃんとわかると思います。こういったデータ・グラフを持ってきて密度との関連問題にする辺り(工夫)がすごいなーと感心します。
2が少しだけ難しいのかな・・・と思いますが、冷静にいけば大丈夫かなと思います。溶解度の問題で、水が150g!これは、いいですね~!そして、(3)の結晶の図が塩化ナトリウムでないのもいいですね~!こればミョウバンなのか硝酸カリウムなのか・・・この辺りの知識が曖昧であるときついですね。基礎が本当に重要ですね。
(1)は中3内容ですが、何ともないですね。(2)も大丈夫だと思います。(3)が硝酸カリウムだと判断できれば、水が150gということに気をつけて、20℃に注目!そして、31.6×1.5=47.4gまで溶かすことができるから、50-47.4ですね。
(4)問題文をじっくりよく読んでいくと、求めた値が最も小さい水溶液の濃度なので、「あんまり溶けられないよ~!」状態の物質なので、ミョウバンに注目ですね。こちらも11.4×1.5=17.1まで溶かすことができるから、17.1÷(150+17.1)ですね。水が150gというところに注意ですね!
さて、じっくり解いていますが、ここまでで25分かかりました。残り25分。ラスボスの物理ですね!
■大問4 物理・・・中2内容と中3内容
物理に関しては、光の凸レンズ以外とエネルギー融合か電流+仕事の融合と予想。一番に方向に来てくれた生徒にも「物理は・・・せーの、電流!」「おー!正解です!」
さて、いきます。まずは定番のグラフから抵抗値ですね。あれ・・・あれ・・・!目盛りがちょっと意地悪!!笑という感想を持った受験生はいると思います。でも冷静に抵抗器Aから15Ω、Bは目盛りがちょうど半分なので30Ωと書きこみます。これはずっとやってきたことですから、きちんとやれたと思います。(1)ア~ウは・・・ネタですね。(2)も何度も練習したので大丈夫です。
〈実験2〉図3のように・・・お!この回路ですね。兵庫県においては珍しいなぁという感想です。他の都道府県では出題されてきましたし、志望校別特訓や冬期講習でも「この回路の組み方が公立高校では一番ややこしいレベルなので、そこまで回路で難しいのは出ない!」と言っていた問題です。
でも読み進めていくと・・・スイッチを切り、クリップPを端子Xからはずして・・・。その後、クリップPを端子Zに・・・。みたいな感じ!
なるほど、そう来たか!難しいですね。(いや・・・私は大丈夫ですが、受験生にとったら、またテスト中だという状況において考えると、難しいと思います。)
合成抵抗で攻めるのが良いかなと思います。抵抗器AとBの並列合成が10Ωということから、抵抗器Cが10Ωだとわかるので、ちゃんと書きこんでおきましょう。あとはクリップ操作によって回路が変わったときの合成抵抗も出しておきます。10+15=25Ω、それから、15+7.5=22.5Ωですね。
そうすると、(4)は、抵抗が20→25→22.5と変化するので、電流は「大→小→中」ですね。正解はオです。これ、まぁまぁですね。
さて、次は2です。
手回し発電機、いつかも出題されていましたね!(1)は大丈夫でしょう。(2)はモーター!!これは珍しいですね。適切でないもの・・・に注意して、これはちょっとよく読まないと間違えそうですね。でも、エがおかしいのですが、ここに気づけたかな・・・。正答率が気になるランキング3位ですね。
〈実験2〉交換効率の話ですが、0.7W×2s=1.4Jの発電に対して、物体は0.12N×0.8m=0.096Jの仕事をされたので、あとは割合を出します。結構小さな値でしたね。最後の(4)は難なくクリアできるのではないかと思います。
物理も10分ぐらいだったと思います。最後は時間を気にしていませんでした・・・。
■総評
・どの分野も易化
・教科書の読み込みが本当に大事
・学校のワークをきちんとやって基礎力をつける
・その上で、他の教科とのバランスを取りながら無理なく無駄なく勉強をする
・そこが自分でできるか、塾などで少しサポートしてもらうか
確かに例年に比べると易しくなっていると感じます。ただ、例年の平均が
という感じなので、
公立中学生が3年間授業を受けて
学校教科書内容のテストで
受験のプロが作成する
ということにおいては、平均せめて50後半~60前半にはしておかないといけないといけないという個人的意見から、今回の易化は良かったのではないかと思います。
私自身、自分の目の前の生徒しか見ることができていないので・・・自分の生徒目線にはなってしまいますので。
生物にしても地学にしても化学にしても物理にしても、これぞ入試という感じで基礎を大切にしながらも問い方を変えてくる問題もあります。ここ数年で傾向も固まりつつあり、会話文や実験考察の読解力、そこに対する集中力が必要な入試だということには間違いありません。今回平均点が上がると思いますが、それを受けて、また来年どうなるか、それも楽しみです。
というか、次学年の受験は本当に楽しみです。大きな変化があると予想できるので。
加藤